会頭挨拶

第35回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会
大会テーマ「未来は今 ―始まりは媛で―」

会頭 町野 博
(町野皮フ科)

平成の最後となる、記念すべき第35回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会を、愛媛・松山で、2019年 4月20日(土)、21 日(日)の両日開催させていただくこととなりました。四国ブロックの開催は、徳島で平成10年(1990年) 第14回大会(宇都宮貞俊会頭)、平成21年(2009年) 第25回大会高知(故恒石静男会頭)に次いで3回目となります。この度、初めて松山に於いて本総会・学術集会を開催させて頂く機会を賜りましたことを、大変光栄に存じております

第35回大会のテーマは、「未来は今 始まりは媛で」といたしました。このテーマは、日本臨床皮膚科医会雑誌の巻頭言でも以前に述べさせていただきました(J.JOCD59(1)1999、同(5)2010)。それから20年経ち、医学、とりわけ皮膚科学は大きな変化を急激に示しています。皮膚の変化、形態の特徴を記号化して定義し、言葉に移し替えていく作業が、今、「皮膚・皮下の変化を可視化」させる時代を迎えてきました。診て、聞いて、触って、嗅いでいた先駆者の研鑽・努力が現在の新しい皮膚科学に凝集し昇華しています。生検などの検査は病理、電顕、免疫学、顕微鏡、ダーモスコピー、コンピュータなどの画像、機器情報処理の進歩に伴い、組み合わさって、私たちは皮膚や皮下で起きている現象から病変や疾患を導きだしてきたのです。リアルタイムで見ること、バーチャルに見えること、AIが教えること、これからの時代は「今」が続いていくことで進化していく筈です。

また、伊予の松山は子規が「春や昔十五万石の城下哉」と詠んだ勝山城を中心に馥郁と風光明媚に広がっています。城は古きそのままの姿で残るわが国の誇る十二天守の一つです。聖徳太子が入ったとも伝えられる道後温泉は鷺が怪我を癒すために 浸かったとも言われています。日本一古いこの湯の雰囲気は道後温泉本館前にたたずむと、実感されると想います。漱石が教師として赴任中に味わった小さなマッチ箱のような電車が城下を廻り、子規と秋山兄弟が過ごし駘蕩とした風景は「坂の上の雲」の街としてその息吹を今も、路地裏に隠しています。「坊ちゃん」で散々に揶揄された田舎町をお楽しみください。文学も映像も趣味とされる先生方には伊丹万作が十三とともに記念館でお待ちいたしますし、南へ五十分で大江健三郎が描く不思議な内子の村にたどり着きます。

幸いなことに、この春四月はいくらかの桜が葉とともに残り、鯛は季節を迎え、新緑が皆さまを暖かく迎え、しまなみ海道の青が輝き始める季節です。未来につながる今を味わいながら、古き良き友と会い、新しい出会いがこの地ではじまることと確信しております。